むし歯について
歯が痛いと感じたら、それはむし歯かもしれません。
むし歯はいきなり歯に穴があくわけではなく、お口の中のむし歯の原因菌が歯垢(プラーク)となり、糖を分解して酸をつくり出し、やがて歯に穴が空いてむし歯になります。歯に歯垢が残ったまま放っておくと、酸がどんどんつくられて脱灰が進み、やがて穴があきます。
歯に穴があく一歩手前の状態を「初期むし歯」といい、この状態なら歯を削らずに治すことができます。エナメル質に小さな穴があいた状態が「むし歯」です。
むし歯を放っておくと、最終的には神経(歯髄)にまで到達し、やがて激しい痛みに襲われます。
むし歯のリスク
- 歯みがきや、放っておくだけでは治らない
- 放っておくと痛みが出る
- 早期のうちに治療をしないと、治療期間も費用も負担が大きくなる
- 口臭の原因になる
- 痛みがないからと放っておくと、歯を抜かなければならない場合もある
当院のむし歯治療への取り組み
1可能な限り痛くない治療
歯科医院で感じる多くの痛みは、麻酔注射をする時の痛みです。
当院では、いきなり麻酔注射を行わず、まずは「表面麻酔」で麻酔をする場所を麻痺させてから麻酔注射を行うため、ほとんど痛みを感じません。
麻酔針は細ければ細いほど痛みが軽減されます。そのため当院では、極細の針を使用し、やさしく注射することで出来るだけ痛みを軽減しています。
また、麻酔液を一気に注入すると痛みの原因となるため、ゆっくりと一定の速度で注入できる「電動麻酔注射」を導入し、痛みを最小限にするための工夫をしております。
2可能な限り削らない治療
一度削ってしまった歯は、詰め物や被せ物をすることで歯の機能を回復させることは出来ますが、削ってしまった歯が再生することは二度とありません。
「この世に天然歯に勝る歯はありません」
歯を削るということは、同時に歯の寿命を縮めることになります。治療を何度も繰り返すことで削る部分がなくなり、最終的には抜歯をしなければならず、入れ歯やインプラント治療を行うことになります。当院では、一人でも多くの患者さまに健康的な生活を送っていただきたいと考えております。だからこそ、可能な限り「削らない」治療にこだわっています。
3可能な限り歯を抜かない治療
当院では、どんなむし歯もすぐに削るようなことはいたしません。まだ小さな状態のむし歯を発見した場合、歯を削らずに進行を防ぐための処置を行うなど、可能な限り歯を残すための治療を行っています。
また、歯に大きな穴があいてしまっているようなむし歯の場合は、殺菌効果のある特殊なセメントを用いて、できるだけ神経を残せるように努めています。
むし歯の症状と治療方法
C0:むし歯になる一歩手前の状態
症状
痛みはなく、歯に穴もいていない状態です。歯の表面のみが白くなったり茶色くなったりします。
治療方法
適切な歯みがきやクリーニングを行うことで歯の再石灰化を促進し、進行を抑えることが可能です。食生活の見直しをした方が良い場合もあります。
C1:エナメル質に達したむし歯(初期むし歯)
症状
歯のエナメル質にむし歯が進んでいる状態です。エナメル質は強
いので痛みを感じませんが、エナメル質の下層にある象牙質にむし歯が進行する前に早めに治療を行う必要があります。
治療方法
むし歯になった部分を削り取り、削った部分にコンポジットレジンと呼ばれる歯科用素材を詰めます。
C2:象牙質まで達したむし歯
症状
象牙質にまでむし歯が進んだ状態です。この時点では、甘いものを食べた時に痛みを感じたり、冷たいものがしみたりします。
治療方法
C1と同様にむし歯の部分を削りますが、むし歯がより深くまで進行しているため削る範囲が多く、奥歯に関してはインレーと呼ばれる詰め物をする必要があります。
C3:歯の神経に達したむし歯
症状
むし歯が神経まで進むと、熱いものがしみたり、激しい痛みが生じるようになります。むし歯の細菌が歯の神経(歯髄)に到達して、炎症が起きている状態です。
治療方法
一般的な治療法としては、神経を除去して根管治療を行います。むし歯の削る範囲が多いため、削った後はクラウンと呼ばれる被せ物をします。
C4:歯の根に達したむし歯
症状
熱いものや冷たいもので歯がしみる症状はなくなります。
歯根に膿が溜まっている状態で、歯茎が腫れて、噛んだ時に痛みが生じる場合もあります。膿が溜まって袋が大きくなることで、さらに激痛が生じます。この状態までくると、歯の大部分が溶けてしまっています。
治療方法
この状態になると、歯を残すことが難しく、抜歯をしてブリッジ・入れ歯・インプラントなどで失った歯の機能を回復します。